コーヒー豆のナチュラルってどんな意味があるの?
コーヒー豆の処理方法について知りたい!
こういった疑問や要望にお答えしていきます。
- コーヒー豆の処理方法
- コーヒー豆のナチュラルとは何か
コーヒー豆研究所は、日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ、げんた(@topcoffeelab)が監修しています。
それでは早速見ていきましょう。
コーヒー豆の生産処理は3つ
では本題の、コーヒー豆の生産処理は3つについて見ていきましょう。
コーヒーの果実である「コーヒーチェリー」から、後にコーヒーになる「生豆(なままめ・きまめ)」を取り出す作業を生産処理といいます。
生産処理の方法は今のところ大きく分けて3種類あります。
まとめると以下の通りです。
- ナチュラル
- パルプトナチュラル
- フリィウォッシュト
以上の3つになります。
そして最初に今回のテーマであるナチュラルについて解説していきます。
ナチュラル
非水洗処理方法で「ナチュラル」と呼ばれる精製方法です。
収穫したチェリーをそのまま乾燥しその後に脱穀し中から生豆を取り出します。
順番は以下の通りです。
- 収穫
- コーヒーの実をそのまま乾燥
- 寝かせる
- 脱殻機にかける
- 生豆
特徴としては以下の通りです。
- 大量の水を使用しない。
- 環境に優しい。
- 独特の甘み風味が出やすい。
- 気候に左右されやすい。
- 異物が混入し欠点豆が増えやすい。
- クリーンさ均一さに欠ける
ナチュラルの一番の強みとしては、環境に優しくお金がかからない点です。
ナチュラルは独特の風味が現れ、飲めばすぐナチュラルとわかります。
ナチュラルは、独特のなめらかな質感と豊かな甘みが特徴的です。
コーヒーの生産処理の中では、一番古くからおこなわれていた生産処理方法です。
収穫したコーヒーチェリーを分け、果実のまま乾燥場で乾かして作ります。
ナチュラルの特徴としては、コーヒーの果実に含まれている糖分やその他の成分を生豆が吸収するため、質感や甘みに優れています。
また、生産地によっては独特の果実感のあるフレーバーが生まれることも多々あります。
ナチュラルで有名な生産国
特にナチュラルのスペシャルティコーヒーで有名な生産国はブラジルとエチオピアです。
ブラジルのナチュラルは全世界的にエスプレッソでの需要が高いです。
また、エチオピアのナチュラルコーヒーは、とてもユニークなフレーバーからここ数年で人気が高まっているようです。
ナチュラルのコーヒーを作る際には、まずコーヒーの熟度の選別・管理が非常に大切です。
また、乾燥に時間を要するため、乾燥状態の管理が鍵をなってきます。
このように丁寧に管理されて作られたナチュラルは、ナチュラルでしか表現できない味があります。
パルプトナチュラル
もう一つの生産処理方法は、パルプトナチュラルになります。
パルプトナチュラルは、クリーンな爽やかさと甘さが特徴的です。
パルプトナチュラルは、上記のナチュラルと、下記のフリィウォッシュトの中間といえる生産処理方法です。
コーヒーチェリーの果肉を「パルパー」という機械にかけて取り除いたあとに、乾燥場で乾燥させる方法になります。
今ではブラジル&コスタリカで主におこなわれている生産処理になります。
ナチュラルよりも透明感のある爽やかさと甘さの調和したコーヒーを作ることが可能です。
ブラジルはこの生産処理によって、全体的に品質を改善することが出来ました。
パルプトナチュラルを作るための施設に、熟度の高いコーヒーだけを選別していく仕組みが組み込まれているためです。
自動的に完熟チェリーだけ選別し、処理を進めていくので、非常に完成度の高いコーヒーが作られるようになりました。
また、今までのブラジルコーヒーのイメージを覆すようなコーヒー生産エリアが発見されています。
コスタリカとブラジルのパルプトナチュラルは別物
コスタリカのパルプトナチュラルはブラジルとは少しことなることがあります。
機械にかけて果肉を取り除いたあと、もう一度別の機械にかけてパーチメント(生豆を覆う乳白色の殻)を覆っているぬめりを一定の割合で取り除きます。
これを「ハニープロセス」と呼ばれています。
このぬめりをどれくらい取り除くかで風味がちがってくるため、生産者それぞれの作りたいコーヒーに合わせて使い分けており、コスタリカのコーヒーの風味の多様性が出てきています。
コスタリカで生まれた方法ですが、現在では他の国にもその技術が広まり、コスタリカ以外のハニープロセスのコーヒーが流通になりつつあります。
まとめるとこんな感じです。
- 水をそんなに使用しない。
- ナチュラルよりも欠点豆が少ない。
- ウォッシュドよりもクリーンさに欠ける
フリィウォッシュト
フリィウォッシュトは、酸味の印象が明るいのが特徴です。
フリィウォッシュト(ウォッシュト)はアフリカ、中南米で一般的な生産処理です。
機械にかけてコーヒーチェリーの果肉を取り除いたあと、専用のタンクに水とともに一定時間漬けてパーチメント(生豆を覆う乳白色の殻)を覆っているヌメリを発酵させます
そして、水路で洗い流したあとで乾燥させる方法になります。
上記の2つの生産処理方法に比べると、一番酸味の印象が明るく出る傾向があります。
生産処理の過程で何段階かの選別を通るため、全ての選別過程をクリアした最高のコーヒー豆と言っても過言ではないではないでしょう。
ウォッシュドについてより詳しく知りたい方は「【専門家が解説】コーヒー豆のウォッシュドとは?特徴やおすすめもご紹介」の記事をチェック!
ナチュラル=酸味は穏やか&独特の香りと甘味で個性的なコーヒー
いかがでしたでしょうか?
今回は、コーヒー豆の【ナチュラル】を含め3つのポイントで種類が分けられる。というテーマでお伝えしました。
ナチュラルについてまとめると以下の通りです。
ナチュラル=酸味は穏やか&独特の香りと甘味で個性的なコーヒー豆です。
今回の記事を通してコーヒー豆のナチュラルについて理解していただけたら幸いです。